
2008年に運用成績が低迷したヘッジファンドの多くは、投資家との交渉に応じて運用報酬を引き下げることにより、生き残りを目指している。【23日 ダウ・ジョーンズ】
投資家側は運用報酬に関して厳しい条件を突きつけており、この数ヶ月間でヘッジファンド業界の力関係が変化し、投資家の発言力が強まってきたことを示している。ヘッジファンド投資の需要が高かった時代には、運用会社側が投資を断ることもあった。
クレディスイスのエドガー・シニア(Edgar Senior)氏によると、「今年のテーマのひとつに、投資家の台頭ということが挙げられる」という。シニア氏は、ヘッジファンドの手数料交渉のコンサルタントを行っている。
多くのヘッジファンドでは、運用成績が低迷する中で、投資家の解約によって大量の資金が流出している。そのため、手数料収入の源泉となる運用資産が縮小している。
2008年にはヘッジファンド業界の運用成績が低迷したため、多くのヘッジファンドは成功報酬を得ることが出来なかった。通常、成功報酬はリターンの20%に相当する金額で、収益全体では平均で毎年約60%を成功報酬が占めていたという。
また、ヘッジファンドのもう1つの収益源として、運用資産額の2%に相当する管理報酬がある。ヘッジファンド・コンサルタントのIGSオルタナティブ・インベストメント・ソリューションズによると、管理報酬による収益は以前に比べて35%減少している。
それに加えて、多くのヘッジファンドは今回の金融危機が起こる前から、オフィスの拡張や移動を進めていたため、高い間接費で身動きが取れなくなっている。
運用資産額の減少と、それに伴う運用報酬の落ち込みによって、ヘッジファンド業界はコストの削減を強いられており、トレーダーの解雇や、ファンドの清算が進んでいる。また、多くのファンドが「ハイ・ウォーター・マーク」方式を採用しているため、手数料収入を短期間で回復させるのは難しいと見られている。
その結果、既存の投資家と新たなハイ・ウォーター・マークを設定するべく、交渉を行っているファンドが多い。「運用報酬とハイ・ウォーター・マークは、現在非常に注目を集めている話題だ」とシニア氏は述べる。
再交渉で設定される新たな運用報酬システムは、2008年の損失を取り戻すまで成功報酬は10%、損失を回復した後の利益に対しても10%というものだ。投資家側は、管理報酬の引き下げも迫っているもようだ。
シニア氏は「運用体制の変更が失敗に終わる原因としては、投資家との意思疎通が不十分であるとか、時期が遅すぎたとか、あるいは、ファンド側の再建案に十分な共通の利益を見出すことが出来なかった、などが考えられる」と説明している。
Dow Jones
23 Feb 2009 17:14 GMT =
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